環境感染
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手術部位感染サーベイランスに関する全国実態調査
森兼 啓太岡部 信彦
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2005 年 20 巻 4 号 p. 275-278

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抄録
日本環境感染学会の事業であるJapanese Nosocomial Infections Surveillance (JNIS) システム参加施設に対し, 主に手術部位感染 (SSI) サーベイランスに関する実態調査および意見聴取を目的としたアンケートを行った. 合計42施設から回答が得られた. データ収集は記入者である外科医師や看護師が担当しているケースが多かった. 病棟ラウンドやSSI疑い症例の診察を行わず, SSI疑い症例の検知を臨床検体分離菌情報のみに頼る施設があり, SSIサーベイランスの正確性に関して問題があると思われた. 各施設での現場への結果フィードバックは概ね行われていたが, リスク因子調整を行なっている施設は少なかった. JNISシステムからフィードバックされるデータの種類に関するニーズも, リスク因子調整をしない手術手技別SSI発生率に高かった. 施設問比較にはリスク因子調整が必要であるが計算がやや複雑であり, JNIS側からリスク調整されたデータを計算してフィードバックする必要があると考えられる
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© 日本環境感染学会
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