環境感染
Online ISSN : 1884-2429
Print ISSN : 0918-3337
ISSN-L : 0918-3337
大学歯学部附属病院におけるICT巡回の成果
玉澤 佳純安倍 敏玉澤 かほる國島 広之金光 敬二
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 21 巻 2 号 p. 130-134

詳細
抄録
東北大学歯学部附属病院では, 院内感染対策を具体的に実践する組織として, 従来からある院内感染対策委員会, 院内感染対策専門委員会に加えて, 2003年3月にインフェクション・コントロール・チームを発足させた. そして, 同年9月より, 各治療室および関連部署の巡回を開始し, 翌年3月までの期間に月2回のペースで, 全ての治療室および関連部署, 計25箇所を巡回した. 当病院でのインフェクション・コントロール・チームによる巡回は, 国立大学歯学部附属病院としては最初であり, 今回, 巡回の概要と得られた成果について報告した. 巡回の結果, 改善された主な成果を下記に示す. 1. 車椅子患者が容易に出入りができるように, 治療室内の通路幅が確保された. 2. 滅菌後の器具を, 滅菌袋から出してテーブルの上に置いている治療室が多かったが, 使用直前に滅菌袋から取り出すように改善された. 3. 手洗い場の水の飛散防止用の遮蔽板が設置された. 4. 医療廃棄物容器が統一され, 感染性廃棄物は蓋付きの容器, 非感染性廃棄物は蓋なしの容器, 鋭利な物は耐貫通性容器となった. 5. 放射線室の手洗い方法が, ベースン法 (本院で唯一残っていた) から, ポンプ式消毒剤とペーパータオルに改善された. 6. 放射線技師, 臨床検査技師のゴム手袋の装着が励行されるようになった. 7. ごみ袋の変更により, 経費節減ができた. 8. ICT巡回のまとめを発行して, 治療室および関連部署に配布し, 情報の共有化を図った.
著者関連情報
© 日本環境感染学会
前の記事
feedback
Top