抄録
【目的】当院では,腎盂移行部及び上部尿管狭窄に対しフレキシブルシザースを用いた内視鏡的切開術を施行している.この方法及び成績について報告する.
【対象と方法】2005年1月から2010年1月までに6例に対し硬性尿管鏡下にフレキシブルシザース(以下S群)を用いて切開術を施行した.それ以前にホルミニウムヤグレーザー(以下L群)で切開した23例を対象として比較検討した.
【結果】L群:術前平均狭窄長8mm(5-30),平均切開長37mm(15-100),S群:術前平均狭窄長7mm(5-15),平均切開長32mm(15-60)であり,改善率はL群:15/23例(65%),S群:6/6例(100%)(P=0.37)であった.
【結語】フレキシブルシザースを用いた経尿道的尿管切開術は,ホルミニウムヤグレーザーを用いた切開術と比べて,症例数が少なく有意差はないものの,その成績は良好であり,尿管狭窄に対して効果のある手技と考えられた.