Japanese Journal of Endourology
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体腔鏡手術
限局性腎腫瘍に対するロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RALPN)
─藤田保健衛生大学における初期経験─
白木 良一丸山 高広石瀬 仁司日下 守森川 高光深谷 孝介深見 直彦佐々木 ひと美石川 清仁星長 清隆
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2012 年 25 巻 2 号 p. 325-331

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抄録
 小径腎腫瘍(T1a)に対する腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)は,根治性と腎機能温存および侵襲性の観点より標準術式となって来ている.しかし,温阻血(WIT)が必要となるLPNでは腫瘍切除および止血操作の縫合手技において,鉗子操作性の制限によりWITの延長や再出血等の合併症リスクが高まる.これらを改善する目的でロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(RALPN)を導入し,2011年末までに7例に施行した.腫瘍径は15-62mm,WITは 13-37分.術後合併症は,尿漏を1例に認めたがステント留置により改善し,術後出血,再手術例は無かった.RALPNは腹腔鏡手術の難点である鉗子操作の制限を改善し,学習曲線を短縮し,腫瘍切離,止血縫合などの手技が安定した.RALPNは低侵襲性を維持した上にWITを短縮し,術後腎機能の維持やQOLの回復に対する有効性も期待される.
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© 2012 日本泌尿器内視鏡学会
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