抄録
【目的】当院では2001年以降,鏡視下ドナー腎摘除術を行っており10年が経過した.これまで行われた鏡視下ドナー腎摘除術につき臨床的検討を行った.
【対象・方法】2001年9月より2011年12月までに大阪大学医学部附属病院にて施行された鏡視下ドナー腎摘除術143例を対象とした.手術時間,温阻血時間,出血量,ドナー・レシピエントの合併症について検討を行った.
【結果】手術時間は,240.1±82.4分,温阻血時間は204.1±61.9秒,出血量は147.2±172.9mlであった.開腹手術に移行した症例は5例認め,原因としては十二指腸損傷,横隔膜損傷が1例ずつ,腹膜損傷によるものが3例であった.
【結論】鏡視下ドナー腎摘除術を始めて10年経過したが,大きな合併症もなく安全に施行できている.