Japanese Journal of Endourology
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特集1:ロボット手術─チームで取り組むトラブルシューティング
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松原 昭郎河合 憲康
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2014 年 27 巻 2 号 p. 229

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抄録

 手術ロボットの優れた革新的技術は泌尿器低侵襲手術に新たな展開をもたらした.我が国の普及率は薬事承認以降,急速に伸び,泌尿器領域の手術を席巻する勢いで普及しつつある.しかし,ロボットは精度の高い手術をもたらす一方で,大型精密機器を遠隔操作によって作動させるという従来の常識とは大きく異なるシステムが故にさまざまなトラブルも引き起こすことが分かってきている.ロボット手術を安全・確実に提供するためにはチームとしてトラブルに取り組む必要があるのは自明の理であろう.
 そこで,本特集では前半に経験豊富な施設の医師(東京医科大学病院の伊関 亮先生)と看護師(鳥取大学医学部附属病院手術部の畠山久美子さま)にそれぞれの視点からチームで取り組むトラブルシューティングを解説していただいた.そして後半に,我が国におけるロボット手術トラブルの現状,トラブルシューティングに向けたチームの結束とそれに必要な要素について全国手術室看護師を対象に行ったアンケート調査の結果を広島大学病院手術部の妹尾安子看護師に報告していただいた.前半部には主なトラブルと解決法ならびに予防のための工夫,アイデア,手術室での連携方法,教育などについて紹介されており,読者の皆様には大変参考になると思われる.そして後半は,全国でどんなトラブルが発生し,誰がどう対応しているのか,その現状と,チームの結束力には情報共有やチーム内でディスカッションできる環境が大切だとするコメディカルの気持ちが伝わってくる興味深い内容となっている.是非ご高覧いただき,各施設のチーム力アップに役立てて頂ければ幸いである.

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© 2014 日本泌尿器内視鏡学会
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