Japanese Journal of Endourology
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特集4:Focal Therapy 局所療法
腎癌に対するラジオ波熱凝固術 radio frequency ablation(RFA)
杉村 芳樹神田 英輝有馬 公伸高木 治行山門 亨一郎
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キーワード: 腎癌, RFA, 手技, 有効性, 合併症, 予後
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2014 年 27 巻 2 号 p. 316-322

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抄録

 近年,早期腎癌に対する低侵襲治療法としてアブレーション療法が注目されている.アブレーション療法は,腫瘍に治療用針を直接穿刺して高エネルギーによる腫瘍細胞を壊死させる治療法であり,本邦では腎癌に対して凍結治療(Cryoablation)とラジオ波凝固療法(Radiofrequency ablation,以下RFA)の2つが施行されている.アブレーション療法の利点は,全身麻酔や手術リスクが高い患者に対しても安全に治療を行うことができ,しかも腎機能温存にも優れる点である.とくに腎中心部に位置しない3cm以下の早期腎癌に対しては,ほぼ100%の治療効果を認め,5年以上の中長期成績においても,手術治療に匹敵する良好な成績が報告されている.凍結あるいはRFAによる凝固療法は,現時点では,腎機能温存が必要な手術不能例など,限られた症例の治療が推奨されているが,今後長期成績が報告されるにつれ,ステージ1の早期腎癌に対する有望な治療法として,さらに適応が拡大していくものと考えられる.

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© 2014 日本泌尿器内視鏡学会
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