Japanese Journal of Endourology
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症例報告
重複下大静脈を伴う馬蹄腎に対する腹腔鏡下半腎摘除術の経験
伊藤 寿樹栗田 豊田村 啓多細川 真吾牛山 知己
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2015 年 28 巻 2 号 p. 337-342

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抄録
 症例は22歳女性.主訴は左腰背部痛と発熱.馬蹄腎および左腎盂尿管移行部狭窄症に続発した左膿腎症と診断された.保存的加療に奏功せず,また左半腎機能の著しい低下を認めたため,腹腔鏡下左半腎摘除術を施行した.左腎動脈は2本存在し,そのうち1本は大動脈から直接に腎下極を栄養していた.また,重複下大静脈を合併していたため左半腎の剥離に注意が必要であった.峡部の離断はエンドGIA™(60AXT)を使用してほぼ無血的に施行し,追加縫合は不要であった.総手術時間は4時間30分,出血は少量であった.馬蹄腎に対する腹腔鏡下半腎摘除術は,術前に栄養血管の同定や峡部の離断方法を十分に検討することにより非常に有用な術式となる.
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© 2015 日本泌尿器内視鏡学会
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