2019 年 32 巻 1 号 p. 51-56
泌尿器腹腔鏡技術認定制度における審査では, 現在, 腎摘除術, 副腎摘除術および腎盂形成術の無編集ビデオにおいて行うこととし, そのビデオ審査項目を決定している. そのビデオ審査は減点方式で採点し, ブラインド方式で, 先ず2名の審査員が審査し, 2名とも合格であれば基本的に技術認定を取得, 2名の委員の審査結果が異なるときや両名とも不合格判定の場合には, 第3の委員がさらに審査し, 最終的には複数の審査員からなる審査委員会によって最終判定される. ビデオ審査項目やビデオ採点方法は, 毎年, 日本泌尿器科学会総会, ならびに日本泌尿器内視鏡学会総会等の期間中に開催される技術認定審査委員会において, 審査時に問題となった点について討議し, 修正を加えてきた. ビデオ審査項目と基準は【共通項目】と【腎摘除術】【副腎摘除術】【腎盂形成術】の各論に分かれ, 詳細な基準が設けられているが, これらは腹腔鏡手術の安全性を第一に考えられたものであり, その背景には医療安全 (patient safety) の精神があることを理解していただきたい1).