Japanese Journal of Endourology
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特集3: 泌尿器腹腔鏡技術認定取得へのアプローチ~しなければならないこと,してはいけないこと~
経腹膜到達法における腎周囲剥離, 副腎処理のポイント
川端 岳田口 功奥野 優人角井 健太植木 秀登仁科 勇佑
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2019 年 32 巻 1 号 p. 66-71

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抄録

 後腹膜到達法での腎摘除術では比較的早い段階で腎茎血管の処理が行えるが, 経腹膜到達法では適正な術野を確保し血管処理を正しく行うにはある程度の腎周囲剥離も行っておく必要がある. 痩身などで腎周囲の脂肪織や腸間膜の脂肪織が少ない症例では腎茎血管の確認が容易であるが, 肥満症例などでは腎茎部より尾側においていわゆる“psoas window”を作成することにより安全に腎茎部処理を行うことが可能となる. しかし, 血管処理前に担癌腎を強くマニピュレートすることは許されることではなく, 適正な組織牽引法を行うことが求められる. 一方, 血管処理後は腎自体を助手のリトラクターなどで十分に牽引することにより正しい剥離ラインで周囲組織から外していくことが求められ, 特に副腎温存術式の場合は副腎を損傷することなく, かつ腎被膜を過剰に露出することのない剥離層を確立することが重要である.

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© 2019 日本泌尿器内視鏡学会
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