Japanese Journal of Endourology
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特集4 : 泌尿器ロボット支援手術プロクター教育セミナー
ロボット支援手術の基本手技
服部 一紀
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2020 年 33 巻 2 号 p. 249-253

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抄録

 手術は突き詰めれば切開・剥離, 止血, 縫合のいずれかに細分化され, どのような手術もこれら基本操作の積み重ねにより成り立っており, この点はロボット支援手術も同様である. しかし, 現行のロボット支援手術には通常の腹腔鏡手術と異なる特性があるため, それらを理解した上で基本手技を行う必要がある. 例えば, 現行のロボット支援手術には触覚, 張力の感覚がないため, 小血管の断裂による出血や場合によっては組織損傷を起こしうる鈍的剥離をできるだけ避け, 鋭的な切開操作を多用したほうが良い. 出血を少なくし効果的に切開を行うためには, 電気メスの使い方も重要である. 止血においては, 圧迫, 電気メス, 縫合等, 状況により適切な止血方法を選択する必要があるが, ロボット手術では縫合操作が容易であることから, 縫合止血も多用した方が効率的, 効果的である. 縫合はロボット支援手術のメリットが最も活かせる局面であり, 左右どちらの手でも自在に縫合できるように十分トレーニングしておく必要がある.

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© 2020 日本泌尿器内視鏡学会
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