Japanese Journal of Endourology
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特集4 : 泌尿器ロボット支援手術プロクター教育セミナー
緊急事態対応
森實 修一武中 篤
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2020 年 33 巻 2 号 p. 258-262

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抄録

 da Vinciサージカルシステムに代表されるロボット支援手術の登場により, ここ10年間で外科的治療には大きなパラダイムシフトがもたらされた. 特に, 泌尿器科領域では前立腺全摘除術, 腎部分切除術, 膀胱全摘除術, 腎盂形成術, 仙骨腟固定術など様々なロボット支援手術がすでに保険収載されており, 低侵襲手術の普及による患者への大きなメリットが期待されている. しかし, 一方でロボット支援手術に特有な問題点も多く存在し, 一人の外科医だけの力では対応できない場面も多く, 看護師や臨床工学士, 麻酔科医との連携がより一層大切となる. 緊急事態対応に関しては, 従来の開腹手術では「手術に関するトラブル」への対応が大半を占めていたが, ロボット支援手術では「手術用機器に関するトラブル」への対応も大きな課題となる. また, これらのトラブルはいつ発生するか予測できず, 普段からトラブルを想定したロボット手術チームによるシミュレーションが大切となってくる. 本稿では, 我々の施設における機器トラブル集計結果や停電・地震時の我々の対処方法, 実際の手術トラブル症例を提示し, 我々の施設での緊急事態への備えについて解説する.

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© 2020 日本泌尿器内視鏡学会
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