Japanese Journal of Endourology
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特集3:これから始めるロボット支援下仙骨膣固定術
当院におけるロボット支援下仙骨膣固定術の経験
竹中 政史佐々木 ひと美全並 賢二深谷 孝介市野 学高原 健住友 誠白木 良一
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2021 年 34 巻 2 号 p. 231-236

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抄録

 高齢化社会に伴い骨盤臓器脱 (pelvic organ prolapse : POP) は増加傾向にある. POP治療の目標は正常な泌尿生殖機能を保持しながら骨盤底を解剖学的及び生理的に修復する事である. 現在, 仙骨膣固定術はPOP治療のゴールドスタンダードであり, 2020年4月にロボット支援下仙骨膣固定術 (Robot Assisted Sacrocolpopexy : RASC) が保険収載された. 当院では保険収載に先駆け2013年から施設倫理委員会の承認を得てRASCを導入し自費診療で初期5例を経験した. 2014年からは保険収載された腹腔鏡下仙骨膣固定術 (laparoscopic sacrocolpopexy : LSC) へ移行し, 再度2020年4月からRASCをPOP治療の標準術式としている. 保険収載後の術式の変更点は, Extra armを患者右側に設置すること, 会陰操作にオクトパスを使用すること, RASCチームを結成し意識の統一と手順書を作成し腔内操作を統一化したことが挙げられる. 本稿では我々が用いた手術機材, 具体的な手術手技, 手術成績を含め詳細に示した. RASCは手術時間の延長やコスト面での問題が挙げられるが, ロボット手術の利点を最大限に活用することができる術式の1つであり, 今後広く普及していくことが期待される.

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© 2021 日本泌尿器内視鏡学会
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