日本臨床救急医学会雑誌
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原著
肘正中皮静脈路確保に注目した救急救命士病院実習の有効性
次橋 幸男泉 知里石丸 裕康
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2014 年 17 巻 6 号 p. 731-736

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抄録

目的:救急救命士に対する肘正中皮静脈路確保に注目した病院実習が末梢静脈路確保のスキル向上に与える影響を検証する。方法:救急救命士72名を対象として,1)手術室における静脈路確保,2)肘正中皮静脈の確認,3)シミュレータを用いた肘正中皮静脈穿刺の機会を病院実習において提供した。アウトカムは,活動現場におけるCPA症例への静脈穿刺の選択部位とその成功割合とした。結果:外傷を除くCPA症例に対して計170回(実習前62回,後108回)の静脈路確保が試みられた。穿刺部位は,手背静脈(実習前47%,後46%)が最多であった。成功割合は,肘正中皮静脈(実習前29%,後66%)が手背静脈(実習前21%,後22%)を上回った。多変量解析において,病院実習の履修,肘正中皮静脈路の選択,現場での静脈路確保が静脈路確保の成功と関連していた。結論:肘正中皮静脈確保に注目した病院実習の履修は,救急救命士による静脈路確保の成功に寄与していた。

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© 2014 日本臨床救急医学会
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