目的:消防隊が救急隊より先に傷病者に接触した院外心停止の割合および特徴と,予後に及ぼす影響について明らかにする。方法:2012~2023年の白山野々市広域消防本部管内での院外心停止のうち,PA連携が行われた1,373例を抽出し,消防隊先着149例と救急隊先着1,224例の2群に分類し検討した。結果:消防隊先着は10.9%(149/1,373)で,救急隊先着と比較し,自己心拍再開率(25.5% vs. 25.0%,p=0.89)および1カ月後脳機能良好率(2.7% vs. 4.6%,p=0.40)に差はなく,消防隊先着は自己心拍再開率(オッズ比[95%信頼区間]:0.97[0.63-1.48])および1カ月後脳機能良好率(0.57[0.16-2.00])に影響していなかった。結論:消防隊が救急隊より先に傷病者に接触することは,予後に影響を及ぼしていない。
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