日本臨床救急医学会雑誌
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原著
中高年女性による単独でのハンズオンリーCPRの圧迫深度とその持続効果の検討
青木 大白川 透後藤 奏田中 秀治田久 浩志
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2016 年 19 巻 5 号 p. 625-630

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抄録

目的:家庭内で胸骨圧迫のみのバイスタンダーCPRを行う可能性が高い中高年女性を対象として,どのようなタイミングで休息をとると2分間連続して効果的な胸骨圧迫ができるのかを検討した。対象・方法:中高年女性60名をランダムに以下の3群〔連続圧迫群(n=20),10 秒休止群(n=20):30秒圧迫後に10秒休止する群,7秒休止群(n=20):30秒圧迫後に7秒休止する群〕に分けて2分間の胸骨圧迫の深度を比較検討した。結果:30秒ごとに胸骨圧迫の深度を平均すると,連続圧迫群では圧迫深度は有意に低下した。10秒休止群では胸骨圧迫の深度を保てたが,7秒休止群では圧迫深度が低下した。圧迫深度×時間で表される総和は,7秒休止群では10秒休止群と比べ有意に高値となった。結語:中高年女性が単独で連続した胸骨圧迫を行う際には,連続圧迫より30秒ごとに7秒程度の胸骨圧迫休止期間を入れる方法が,連続した圧迫の質の低下を最小限に留める可能性がある。

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© 2016 日本臨床救急医学会
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