2016 年 19 巻 6 号 p. 735-740
目的:救急隊により緊急性が低いと判断された傷病者を,医療機関到着後に直ちに収容する(医療機関に引き継ぐ)ルールを地域で定め,医療機関収容の効率化を図るとともに,救急活動時間の短縮を図る。方法:北多摩西部消防署管内で,救急隊が傷病者のトリアージを行い,緊急性が低いと判断された(あらかじめ同意されたトリアージ基準を満たした)場合,医療機関到着後直ちに引き継ぐ(他患者扱い中等により医師への引き継ぎが不能の場合には看護師に引き継ぐ)。結果:平成26年10月1日からの1年間で,トリアージにより緊急性が低いと判断された事案は全体の6.1%(130件)で,「医療機関到着〜収容」は平均5分4秒であった。結論:医学的なコンセンサスができていたことで,医療機関は,救急隊によるトリアージで緊急性が低いと判断された傷病者を迅速に収容することができた。これにより医療機関収容の効率化が図られ,救急活動時間が短縮した。今後はこれらの効果をさらに高めるため,より広域での運用が期待される。