2017 年 20 巻 3 号 p. 508-515
外傷看護の標準化と外傷患者受け入れへの看護師の不安軽減を目的に作成した外傷看護チェックシート(以下,チェックシート)運用による効果と課題を明らかにするために,外傷患者「受け入れ準備」,「観察」,「処置」をリッカート尺度による自己評価点とし得点比率を救急経験年数別に比較した。「受け入れ準備」の得点比率は救急経験1年未満で52.5%,1年以上で85.0%以上,「観察」の比率は救急経験年数にかかわらず72.5%以上,「処置」は救急経験1年未満で50.0%,1年以上で74.0%以上だった。以上のことから,チェックシートは救急経験年数にかかわらず,観察項目を確認でき,外傷患者受け入れへの不安を軽減する効果があった。しかし,救急経験1 年未満の看護師はチェックシートだけでは不十分であり,「受け入れ準備」に適切な指示が,「処置」には現場等で経験を積む必要性が示唆された。