日本臨床救急医学会雑誌
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原著
有料老人ホームの介護・看護職員を対象とした急変時対応教育プログラムの効果
福田 俊輔遠藤 拓郎大河原 啓文深堀 浩樹吉井 肇安藤 大吾小波本 直也吉田 徹平 泰彦藤谷 茂樹
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2021 年 24 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

目的:高齢者施設入所者は重症化のリスクが高く,施設職員の急変時初期対応は重要である。われわれは,有料老人ホーム3カ所でのヒアリング調査に基づき作成した,高齢者施設職員向けの急変時対応教育プログラムの効果について検証した。対象と方法:このプログラムを用いて有料老人ホームの職員70名を対象に研修を行い,その前後でアンケート調査を行った。結果:55名でアンケートに回答が得られた。研修の前後で急変時対応に関する自信は有意に改善し(20.5 vs 25,p<0.001),知識を問う項目では6項目において改善を認めた(p<0.001)。 また,本研修への満足度も高く,本プログラムは有効であるが,一部の介護職員について学習効果が不十分と考えられた。結語:有料老人ホームの職員を対象としたヒアリング調査に基づき作成した本急変時対応教育プログラムは,高齢者施設における急変時対応体制の改善に有効と考えられ,継続的な改善と開催が求められる。

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© 2021 日本臨床救急医学会
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