日本臨床救急医学会雑誌
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調査・報告
肺炎患者に対しqSOFAを救急初期対応に活用する効果について
山崎 朋子森田 泰正
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2021 年 24 巻 1 号 p. 47-50

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抄録

目的:発熱患者の受け入れにあたり看護師がqSOFAスコアを算出し,緊急度判定および検査・治療の補助に活用する取り組みを開始したことから,肺炎患者を調査しその効果について検討した。方法:救急外来到着時のqSOFAスコアが2点以上で,血液培養が採取され肺炎と診断されたのち点滴による抗菌薬投与が行われた患者に対して,初療室で初回抗菌薬が投与された割合と,来院から抗菌薬投与開始までの時間について導入前後を比較した。結果:対象は導入前32名/ 導入後30名,初療室で抗菌薬が投与された割合は53.1%/86.6%(p=0.0041),抗菌薬投与開始までの平均時間は109±55分/82±25分(p=0.04)であった。考察:qSOFAスコアを緊急度判定に反映させ,培養検体を迅速に採取することなどにより,予後の改善には至らないまでも患者来院から抗菌薬投与までの時間を有意に短縮することができた。

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