本研究は,二次救急医療機関の救急外来を受診した感染症を疑う成人患者に対し,救急看護師が緊急度の高い患者を精度よく迅速に拾い上げることを目的に,SIRSの診断基準2項目以上満たすSIRS群(n=340)とqSOFAスコア2点以上のqSOFA群(n=12)および両群を満たすSq群(n=48)の緊急度・重症度などを比較した。緊急度判定時のバイタルサインは,Sq群の呼吸回数,心拍数,収縮期血圧,GCS,体温においていずれかの群に差があり,緊急度が高かった。院内死亡はSIRS群よりSq群が多く,SOFAスコア≧2点はSIRS群,qSOFA群よりSq群が多く,早期警告スコア2(NEWS 2)≧5点は,SIRS群よりqSOFA群とSq群が多かった。以上からSq群は緊急度・重症度ともに高く,全身状態を評価したうえでSq群を最優先とし,NEWS 2などの重症度の結果からSIRS群よりqSOFA群を優先することを提案する。