日本臨床救急医学会雑誌
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症例・事例報告
ネコとの接触で生じたPasteurella multocidaによる急性喉頭蓋炎の気道緊急の1例
沼田 儒志佐野 秀史守屋 まりこ大竹 成明金村 剛宗奈倉 武郎弦切 純也
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2024 年 27 巻 1 号 p. 63-67

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抄録

人畜共通感染症としてPasteurella multocidaによる急性喉頭蓋炎はまれである。症例は空腸消化管間質腫瘍に対し,イマチニブメシル酸塩を内服中の50歳代の男性。発熱と咽頭痛が悪化したため,急性喉頭蓋炎の疑いで近医から転院した。来院時,意識清明であったが,起坐位で発語困難であった。頸部造影CTで咽頭・喉頭浮腫,および咽頭後壁膿瘍を認め,喉頭内視鏡検査で喉頭蓋の発赤と腫脹を確認した。急性喉頭蓋炎による気道緊急と判断し,経口気管挿管後に抗菌薬,ステロイド療法を開始した。初療時血液培養でPasteurella multocidaが検出された。第5病日の画像検査で咽頭・喉頭膿瘍は改善し,第7病日に抜管した。再度病歴聴取を行ったところ,飼育ネコとキスをするなどの濃厚接触が日常的に行われていたことが判明した。気道緊急時の病歴聴取は時に困難で,プレホスピタルでの動物飼育歴などの情報は診療の一助になる。

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