2024 年 37 巻 1 号 p. 137-141
当科で施行された腹腔鏡ならびにロボット支援腎悪性腫瘍手術症例を対象に, 患者背景および手術成績を比較検討した. 対象泌尿器科医師4名の背景因子を収集し, NASA-Task Load Indexを用いてメンタルワークロードを調査した.
腹腔鏡手術は14例, ロボット支援手術は18例行われた. 手術時間は189分, 202分, 出血量は55 cc, 45 ccと差は認めなかった. 腹腔鏡手術で開腹移行 (膿腎症による癒着) が1例, ロボット支援手術で小腸損傷が1例, 術後皮下出血が1例認められた. 腹腔鏡手術に比べてロボット支援手術の術者のメンタルワークロードが低かった (p=0.0254). ロボット支援手術は腹腔鏡手術と同様に安全に施行できるが, 医師への精神身体的な負担も少ない術式であり今後拡大していくだろう.