Japanese Journal of Endourology and Robotics
Online ISSN : 2436-875X
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CTによる3次元再構築に基づく仙骨岬角周辺の腸骨静脈の解剖学的特徴 : 前向き観察研究
佐藤 広高栗田 美貴加藤 健宏安部 弘和大塚 勝太塚田 幸行
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2025 年 38 巻 1 号 p. 153-159

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抄録

【目的】内腸骨静脈 (IIV) の変異を持つ患者の仙骨岬角 (SP) の血管窓 (VW) の幅を3次元CT血管造影 (3DCTA) で測定した.

【方法】2022年7月から2023年4月までに腹腔鏡下仙骨腟骨底術を予定された患者を対象. 主要評価項目は, 3DCTAの標準群と変異群のVWの測定. 副次評価項目は, 2つのIIV群間の差を共分散分析で評価. SPから大血管分岐までの距離に影響を与える要因を調査するため, 重回帰分析を実施.

【結果】IIVの変異群は20例 (20.2%). 変異群のVWは28.8±12.4 mm, 標準群は39.6±12.6 mm. IIVの変異はVWに影響を与え, 年齢の上昇と共に大動脈とSPの距離が減少した.

【結論】約5人に1人がSPに血管の変異があり, メッシュ固定の安全ゾーンが3 cm未満に制限された.

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© 2025 一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
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