【目的】内腸骨静脈 (IIV) の変異を持つ患者の仙骨岬角 (SP) の血管窓 (VW) の幅を3次元CT血管造影 (3DCTA) で測定した.
【方法】2022年7月から2023年4月までに腹腔鏡下仙骨腟骨底術を予定された患者を対象. 主要評価項目は, 3DCTAの標準群と変異群のVWの測定. 副次評価項目は, 2つのIIV群間の差を共分散分析で評価. SPから大血管分岐までの距離に影響を与える要因を調査するため, 重回帰分析を実施.
【結果】IIVの変異群は20例 (20.2%). 変異群のVWは28.8±12.4 mm, 標準群は39.6±12.6 mm. IIVの変異はVWに影響を与え, 年齢の上昇と共に大動脈とSPの距離が減少した.
【結論】約5人に1人がSPに血管の変異があり, メッシュ固定の安全ゾーンが3 cm未満に制限された.