尿路結石治療において, 外科的治療を安全に有効に行うための新たな技術が開発されつつある. 本稿では, 最新のエビデンスに基づく治療の適応と守備範囲を総括する. 内視鏡技術の発展により低侵襲手術が普及する一方で, 術後合併症の増加が課題として指摘されている. ツリウムファイバーレーザーは, 従来のホルミウムレーザーと比較してエネルギー効率が高く, 微細な砕石片の生成や残石率の低下が期待されている. また, 腎盂内圧制御デバイスや吸引機能付きアクセスシースの導入により, 術中の腎内圧管理が可能となり, 安全性向上に寄与している. さらに, ロボティクス技術は, 術者の身体的負担軽減や操作精度向上を実現し, 複雑な症例への適応が広がっている. 一方で, 高コストや学習曲線の課題が普及の妨げとなっている. AI技術は, 体外衝撃波結石破砕術の治療成功率予測や患者個別化医療の最適化に有望とされるが, リアルタイムでの結石位置追跡や破砕効果評価の技術開発は今後の課題である. 結論として, 尿路結石治療は, 低侵襲性, 患者QOL向上, 安全性の確保を目指し進化を続けている. 最も安全な治療は手術を回避することであることを忘れず, 正確な診断, 適切な手術適応の判断, デバイスの選択, リスク評価と予防治療の実施が重要である. 本稿が, 読者の尿路結石診療の一助となれば幸いである.