日本食品工学会誌
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解説
噴霧乾燥粉末の構造と粉末特性
吉井 英文
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2013 年 14 巻 3 号 p. 119-124

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抄録

噴霧乾燥は,機能性食品粉末を作製する手法として非常に重要である.噴霧乾燥粉末中緩和現象であるフレーバー,水の拡散係数に関する重要な研究報告を概観した後,噴霧乾燥粉末からのフレーバー徐放挙動結果の一例を示し,徐放挙動がAvrami式で良好に相関できることを示した.噴霧乾燥粉末の構造がフレーバー徐放挙動に影響を及ぼす例として,噴霧乾燥機への供給液温を変えて作製した粉末の空孔の大きさと殻厚みが異なる粉末のフレーバー徐放速度と安定性が異なることを示し,噴霧乾燥粉末の特質に粉末構造が重要であることを示した.噴霧乾燥粉末からのフレーバー徐放挙動を観察する手法として,一定温度で湿度を直線的に変化させた空気を噴霧乾燥粉末に流して徐放するフレーバー量を測定する定速昇湿法フレーバー徐放測定法について示した.噴霧乾燥粉末の特質を調べる上で,粉末構造を考慮した研究の重要性を指摘した.

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© 2013 一般社団法人 日本食品工学会
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