日本食品工学会誌
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原著論文
フルクタン資化性乳酸菌Lactobacillus plantarum S506株の分離とニンニク発酵食品への応用
草野 崇一田村 弘司岡崎 勝一郎
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2015 年 16 巻 2 号 p. 125-131

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抄録

乳酸菌は主にグルコースなどの単糖類を資化して乳酸発酵を行うが,ニンニクの主成分である多糖類のフルクタンは一般的に発酵できない.我々はニンニク乳酸菌発酵食品を作る目的で新たにフルクタン資化性菌を探索し,ラッキョウ塩漬けからLactobacillus plantarum S506株を分離した.S506株はニンニクフルクタンのみを糖質源として効率よく乳酸発酵することができた.分離したS506株をスターターとして得られた発酵ニンニクエキスは,BALB/cマウス由来マクロファージ様細胞株のJ774.1細胞を使った試験において自然免疫強化の指標となるインターロイキン-12(IL-12)産生量を顕著に増大した.このIL-12産生促進作用の主な有効成分は発酵により新たに生成した成分であることが推察された.このような新たな免疫機能が付与されたニンニク乳酸菌発酵食品は健康維持に役立つ食品として期待される.

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© 2015 一般社団法人 日本食品工学会
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