2024 年 25 巻 2 号 p. 37-43
高血圧の治療には塩分制限が重要である.そこで,抗菌・抗酸化作用を示す成分を多く保持した茶殻を利用した干物の製造方法を検討した.茶殻抽出物と塩の混合物で処理した干物の場合,単独の溶液よりも水分,塩分濃度,細菌数が減少した.とくに,食塩2%と茶殻の混合物を製造した干物の場合,細菌数の減少では相乗効果が観察された.官能評価の結果,食塩2%と茶殻の混合物で製造した干物は,市販の干物に比べて高い評価が得られた.今回の研究結果では,干物製造時に茶殻を使用することで抗菌効果を維持しながら減塩できることが示唆され,茶殻の利用により食品ロスの削減が期待できる.