2011 年 75 巻 4 号 p. 211-220
北海道太平洋沿岸における海洋物理環境(水温,塩分,水深)とスケトウダラの産卵場形成との関係を調べた.1月から3月にかけて,表層への沿岸親潮水の流入のため,噴火湾内外の海域(特に日高湾)において水温は低下した.Quotient分析から,スケトウダラの産卵場における平均水温,塩分はそれぞれ4.43°C,33.28で,水塊としては親潮水であった.スケトウダラの産卵場は苫小牧から津軽海峡口へ反時計回りに移動していた.卵が海面で経験する主な水塊は1·2月は親潮水,3月は沿岸親潮水であった.産卵から孵化までの時間は津軽暖流水で8日から20日,親潮水で15日から25日,沿岸親潮水で25日以上であった。これらのことから、水塊の相対的配置は産卵場形成や卵の発生速度に影響していると結論される.最後に,物理環境からスケトウダラの産卵場を推定する方法を提案した.