抄録
市販ヒラメ用β溶血性レンサ球菌症ワクチンがカワハギのS. iniae感染症に有効か否かを検討した。まず,攻撃方法を決定するためにカワハギ由来のS. iniaeを用いて人為感染試験を行った。その結果,筋肉接種法では 102 CFU/100 g 魚体重の攻撃菌数で死亡率は90%となった。一方,浸漬法では攻撃菌数108 CFU/mL,浸漬時間30分間でも死亡率は60%にとどまった。ワクチンの有効性試験では常用量およびその 1/10 量による免疫で有効性が確認された。常用量で免疫し,2 週間,1 か月,3 か月および 7 か月後に攻撃試験を行って予防効果を調べたところ,どの時点でも有効率(RPS)は80%以上であった。以上の結果から,ヒラメβ溶血性レンサ球菌症不活化ワクチンはカワハギのS. iniae感染症に有効であり,免疫効果が長期間持続することが示された。