抄録
クエおよびマハタにおけるウイルス性神経壊死症(VNN)原因ウイルス(ベータノダウイルス)の垂直感染を防除することを目的として,電気分解した海水(電解海水)による受精卵の適正な消毒条件を検討した。0~1.5 mg/Lの遊離塩素を含む電解海水に受精卵を浸漬したところ,両魚種ともに 0.3~0.5 mg/Lでは5分,1.0 mg/Lでは3分,1.5 mg/Lでは1分浸漬しても,ふ化率に影響はなかった。ベータノダウイルスを遊離塩素濃度 0.3~1.0 mg/Lで3分または 1.5 mg/Lで1分処理すると,99.4%以上のウイルスが不活化された。