2015 年 50 巻 4 号 p. 200-206
2012年以降,診断用の抗KG–型ウサギ血清に凝集しないLactococcus garvieae(非凝集性株)が,養殖場のブリとカンパチ病魚から分離されている。これら魚種への非凝集性株の病原性が感染実験で確認された。そこで,抗KG–型血清凝集株(従来型株)および非凝集性株のホルマリン不活化菌体(FKC)でブリを免疫し,交差防御効果を検討した。その結果,両免疫原は共に同型株の攻撃に対して高い予防効果を示したものの,従来型株FKCによる免疫は非凝集性株に対して効果が不十分であり,非凝集性株FKCによる免疫は従来型株に対して全く効果を示さなかった。非凝集性株は,日本の海産魚類における新しい血清型の病原性L. garvieaeである。