2024 年 59 巻 2 号 p. 80-83
EIBSの病原体PRV-2 をギンザケ稚魚に実験感染した後,脾臓内のウイルスゲノムコピー数と血清中のELISA抗体価を経時的に測定し,ヘマトクリット値と赤血球封入体の消長との関連を検討した。ヘマトクリット値は感染後に直ちに低下しはじめ,40日目に最低値を示し,その後徐々に回復した。赤血球封入体は感染後20日目から40日目の間にのみ観察され,ウイルスゲノムのコピー数も感染後30日目にピークに達した。一方,ELISA 抗体価は赤血球封入体が見られずヘマトクリット値が回復し始めた感染後60日目に初めて8尾中6尾で弱く上昇し,80日目には全個体で顕著に上昇した。