魚病研究
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簡易的なDNA熱抽出法を利用したPCRによるアユ異型細胞性鰓病原因ウイルスの検出
相川 英明
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キーワード: 迅速診断, PaPV, DNA熱抽出法
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2025 年 60 巻 1 号 p. 24-26

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抄録

Plecoglossus altivelis Poxvirus-like virus(PaPV)は,アユの異型細胞性鰓病(ACGD)の原因ウイルスであり,日本のアユ養殖に大きな損失を引き起こしている。本報では,ACGDの迅速診断を目的に蒸留水を用いた簡易DNA熱抽出法の有効性について検討した。罹患魚を用いて検出感度を検討したところ,本法で抽出したDNAを用いたPCR検査と市販のキットで抽出したDNAを用いたPCR検査との間に差はなかった。また,ACGDの症状を呈した複数のアユから本法により抽出したDNAを用いてPCR検査をしたところ,すべての病魚からPaPVが検出された。短時間かつ安価で行える本DNA抽出法は,ACGDの迅速診断に有用であると考える。

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© 2025 日本魚病学会
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