抄録
ギンザケ血清から精製した免疫グロブリンの腹腔内吸収の特性について研究した。すべての実験において,放射同位元素で標識した免疫グロブリンをギンザケ(50~200g)1尾あたり0.1mlずつ2尾に腹腔内および静脈内に注射して,その吸収効率と変動傾向を追究した。吸収の度合と吸収の動態は温度(6℃,12℃,18℃)に依存することが見出された。四量体免疫グロブリンから誘導された単量体構造の7Sは比較的長い時間をかけて低い吸収効率をもって吸収されることも明らかにされた。吸収の結果を系統学的意義に関して考察した。