魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
ニホンウナギ(Anguilla juponica)卵巣由来細胞株について
陳 秀男郭 光雄
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 16 巻 3 号 p. 129-137

詳細
抄録

 ニホンウナギの(Anguilla japonica)卵巣から株化細胞EO-2を確立した。その細胞は32±1℃下で,10%の牛胎児の血清を加えた培地Leibovitz's L-15を用いて,19ケ月の間に110代継代している。また20~37℃の範囲でEO-2株化細胞を維持できた。本株化細胞は,大型または小型の核をもつ線維芽性細胞から成っている。大部分の培養細胞中に多核細胞が存在していた。100個の細胞分裂中期のEO-2細胞について計数した染色体数は,38を中心にして22から74の範囲であった。低い濃度で細胞を接種すると,8%しか付着しなかった。EO-2細胞はEVE, EVEX及びEVAに対して感受性を示した。この3種のウイルスに対するEO-2細胞の感受性は, RTG-2, FHM細胞のそれよりも高かった。この株化細胞は,細菌,真菌及びマイクロプラズムに感染していないことがわかった。

著者関連情報
© 日本魚病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top