魚病研究
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ニジマス稚魚の魚体内IPNウイルス量の変化と疾病経過との関係
岡本 信明谷口 則彦妹尾 良雄佐野 徳夫
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1984 年 19 巻 1 号 p. 1-4

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抄録
 日本のLPNウイルス分離株の大部分を占めるIPNV Buhl, Idaho株を用いて,ニジマス稚魚の魚体内ウイルス量の変化と疾病経過との関係を感染実験(水温9.1~14.0℃)により明らかにした。この実験では,IPNの潜伏期は4日であり,発病はウイルス浸漬接種5日後に,そして最初のへい死魚は6日後に観察された。IPNウイルスを接種されたニジマス稚魚の魚体内ウイルス量は,潜伏期間中では≦104.1TCID50/g魚体重の低レベルであり,その後,魚体内ウイルス量が105.1TCID50/g魚体重になると発症が認められるようになった。稚魚のへい死は≧105.1TCID50/g魚体重ではじまり,その後のへい死率は≧105.1TCID50/g魚体重を示す個体数の増加とともに上昇した。
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