1984 年 19 巻 1 号 p. 51-55
1983年6月から7月にかけ, 壱岐の南西方向の海域一体でウマヅラハギ(Navodan modestus)の大量へい死が発生した。へい死魚は体長9cm前後の小型魚に限られ, 特徴的症状はみられなかった。へい死魚は14尾について細菌学的検査を行ったところ, 全検体魚の腎臓からP.piscicidaが純培養状に分離された。病原性試験では, 復原性(ウマヅラハギ供試)と腎臓等における白点形成(ブリ供試)が認められた。これらの結果, 今回のへい死例は本菌種に起因するものと判断された。