魚病研究
Online ISSN : 1881-7335
Print ISSN : 0388-788X
ISSN-L : 0388-788X
ヤマメのテトラオンクス寄生について
小川 和夫江草 周三
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 19 巻 4 号 p. 215-223

詳細
抄録

 東京水試奥多摩分場で種苗生産された一群のヤマメを材料魚とし, 鰓弁に寄生する単生類のテトラオンクス (T. awakurai と T. oncorhynchi) を調査した。オンコミラキジウムの宿主への侵入は水温が10℃以上になる春から秋にみられた。両種の寄生はともに明確な季節変化を示した。秋から冬における寄生率・寄生数の低下は宿主による寄生虫の排除によるものと考えられた。両種の寄生虫の間には明確な相互関係は認め難かった。両種の寄生レベルは年によって大きく変動した。寄生虫対策について若干の議論を加えた。

著者関連情報
© 日本魚病学会
次の記事
feedback
Top