抄録
1983年3月, ある淡水養殖池のカムルチーに急性敗血症が発生し, 累積死亡率30%に達した。病魚は突然不活発になるほかには外見的な症状は見られず, そのまま池底で死亡した。血液や脾臓の塗抹標本には両極染色性の桿菌が観察された。脾臓や腎臓に白斑病巣が散在し, 組織学的には大小の菌塊を含む巣状壊死が認められた。分離菌は Pasteurlla 属に分類され, 感染実験により病原菌であることが証明された。また, 多くの抗菌剤に感受性があり, クロラムフェニコールの投与によって効果的に治療された。