抄録
細菌性鰓病羅病と体組織への酸素供給能の低下との関係を明らかにする目的で羅病魚の筋肉中のグリコーゲン, ピルピン酸塩, 乳酸塩を測定した。 Flavobacteriumsp. BGD7721 を実験感染させたニジマス稚魚の筋肉中のグリコーゲンと乳酸塩は, 感染魚が餌も摂らず不活発になることから, 時間とともに減少した。しかし, 乳酸塩は魚が横転する頃から増え始め, 死亡時には133±58mg%に達した。この現象は乳酸塩ピルビン酸塩の比においてより顕著であり, 死亡直前に筋肉中に過剰の乳酸が蓄積することが明らかとなった。