抄録
1981~83年の春から初夏に中部北太平洋の49水域で漁獲したベニザケ計3935尾を調査したところ, 206尾(5.2%)に内臓癒着が認められた。病魚は尾叉長35~49cmの中型魚に多く, 30cm以下, 65cm以上の魚にはみられなかった。病魚の割合は淡水生活年数が多い程確実に増え, また, 海洋で2冬過ごした魚が最も高かった。病魚は雄の方が高率であった。病魚はまた未成熟魚に最も多く, その割合は成熟にともなって減少した。病魚の割合は一般に南から北へ向う程低下したが, これは緯度によって漁獲される魚の大きさや成熟度組成が異なるためである。