魚病研究
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養殖トラフグの口白症の病理組織学的所見
養殖トラフグの“口白症”に関する研究―2
和田 新平畑井 喜司雄窪田 三朗井上 潔安永 統男
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1986 年 21 巻 2 号 p. 101-104

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抄録

 1. 1984年に長崎県水産試験場増養殖研究所で行なわれた養殖トラフグの口白症の人為感染魚について病理組織学的に検索した。2. 被検魚は自然発症魚の肝臓の磨砕液の0.45μmメンプレンフィルターろ液を接種した実験群およびトラフグ生殖腺由来細胞(PFG細胞)による自然発症魚の脳のウイルス検査でCPEの発現のみられた培養液およびその細胞の磨砕液を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後,それを1000倍に希釈した液を接種した試験群より採材した。3. 両試験群の被検魚は臨床的,肉眼的および病理組織学的に口白症自然発症魚と同様の所見を示した。しかし,対照群の被検魚にはそのような所見は見られなかった。したがって,本症はウイルス病である可能性がより高められた。

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