抄録
1986年2月, 山梨県魚苗センター忍野幼魚場において飼育中のイワナふ化仔魚に大量斃死が発生した。斃死魚から分離された細菌は, グラム陰性, 偏性好気性で運動性を有し, チトクロームオキシダーゼ, カタラーゼ陽性, グルコースを酸化的に分解し, King B 培地においてフルオレシンを産生した。これらの性状から, 分離菌は, Pseudomonas fluorescens に同定された。また, 攻撃試験の結果, 本菌はイワナ以外に, ニジマス, ヤマメ, アユに対しても病原性を有することが確認され, 今回の斃死の原因菌と判断された。