抄録
本研究は,水制周辺の流れおよび河床形状が魚類の遊泳行動に及ぼす影響を,流速V=√(u2+v2)および渦度ωzに着目し,検討を行った.そのために,水理実験および実魚(平均体長(BL)=5.9(cm)のウグイ)を用いた挙動実験を行った.
その結果,流量の異なる2ケースともに,河床洗掘箇所に大きな差異はなかった.また,水制による治水(流速低減,水刎ね)機能が確認された.水制により流速低減した水制下流側で,魚が滞留する傾向にあった.魚の滞留箇所の流速Vは,25(cm/s)(巡航速度4BL(cm/s))以下であり,渦度ωzの大きさが2(rad/s)以上であった.河床材料が粗礫の場合,魚の水制下流側での滞留時間は,粗砂の場合に比べて1.7倍増加した.
以上より,水制周辺の流れや河床形態が,魚の生息場になり得ることが示唆された.