1987 年 22 巻 4 号 p. 227-235
C.complanatum メタセルカリアの終宿主体外における脱シストのための活性化が何に起因するかを検討した。pH やペプシンは関与していなかった。水温に関しては, 高温(39℃, 42℃)にはメタセルカリアは非常に敏感であったが, 33℃や36℃でも過半数が脱シストした。また, 予め低温処理をすれば, 室温でも脱シストした。従って, 脱シストには水温の上昇のみでも十分であると思われた。組織学的には, 虫体の産生する蛋白分解酵素がシスト壁の消化に主要な役割を果たしていることが示唆された。