抄録
前報に引続いてV.anguillarumの易熱性抗原構造の普遍性,さらにV.anguillrum近縁菌ならびにAeromonas属を含むその他菌属におけるV. anguillarum易熱性抗原因子存在の有無を調べ,易熱性抗原によるV.anguillarum簡易同定の可能性を検討した結果,これまでに確認された3種の抗原のうち,k-1抗原はすべてのO血清型に共通に存在する抗原であることが判明した。しかし本抗原はV.metschnikovii, A. hydrophilaおよびA..salmonicidaの3菌種の1部にも存在することが認められたが,これら3菌種とは1,2の性状検査で容易に分別可能であることから,本抗原によるV.anguillarumの簡易同定が可能であることが示唆された。