抄録
魚類ラブドウイウルスの濃縮と精製法について, IHNVを供試ウイルスとして検討した。PEG-6,000による沈澱法と18,500gの高速遠心を組合せてウイルスを濃縮した後, ショ糖の不連続ならびに連続濃度勾配遠心によって精製した。IHNVペレットを再懸濁する際の緩衝液には0.01M Tris・HCl pH7.76が適当であり, 上記方法によってほぼ100%の収量でIHNVを100~300倍に濃縮することができた。また, 各濃縮・精製段階でのウイルス再懸濁液に4,000g程度の低速遠心を施すことによって精製度が向上した。