魚病研究
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ボラMugil cephalusの変形魚に寄生していた粘液胞子虫Myxobolus spinacurvatura sp.n.について
前野 幸男反町 稔小川 和夫江草 周三
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1990 年 25 巻 1 号 p. 37-41

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抄録

 1988年6~8月に三重県沿岸で採捕したボラに, 背鰭湾と側湾を主徴とする脊椎骨の骨格異常を呈するものが4例みられた。それら全ての腸間膜と脳, 一部の肝臓, 膵臓, 脾臓に粘液胞子虫, Myxobolus属の胞子のシストがみられた。脳のシストの形成部位は第4脳室, 中脳腔および嗅葉, 嗅球, 視葉の脳膜下であった。本種と既報の魚類に寄生する粘液胞子虫とを比較検討した結果, 形態学的特徴などからいずれの種とも異なり, Myxobolus spinacurvatura sp. n.と命名することを提案する。

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