1991 年 26 巻 2 号 p. 83-89
北日本のふ化場5カ所で飼育されたサケ稚魚の体表より採集された寄生性繊毛虫Trichodina truttaeの形態の鍍銀法および走査電顕観察により再記載し, 地理的形態変異を調べた。本種の形態的特徴は, 大型で(体直径115~178μm), 歯状体1個当りの条線数が, 10~23本と多く, 周口繊毛環が長短2種の繊毛より成ることである。なお, 虫体サイズには環境の違いによると思われる地域的差異がみられ, 歯状体数にも地理的傾斜が認められた。本種は日本からの初記録である。